ペットロスとの向き合い方 『わたしが泣いたら、あの子は悲しむの?』
「いつまでも泣いていたら、あの子が悲しむよ」
うちの子をお空へと見送り悲しみに暮れる中で、そんな言葉を向けられた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者もうちの子をなくした頃、自分が悲しむことであの子まで悲しい思いをしてしまうのではないかと不安な気持ちでいたことがあります。しかし、ペットロスの悲しみの底をやっと抜けたころにディアペットに勤めはじめ、色んなご家族さまの想いに触れながら過ごしているうちに、そんな考えはどんどん変わっていたんです。
今回お話しさせていただくことは、あくまでも筆者の考えに過ぎません。
それでも、ペットロスの悲しみとのひとつの向き合い方として、お力になれたらと願っています。
わたしが泣いたら、あの子は悲しむの?
”旅立った自分のために家族が涙を流し悲しむ姿を見たら、きっとあの子は悲しんでしまう”
わが子のことを誰よりも知っている家族だからこそ、そう考えてしまうことは自然なことかもしれません。ディアペットのお店でも、同様のお気持ちをご家族さまからうかがうことがあります。
「なら、悲しみを抑えて無理やり笑顔をつくれば、あの子は安心するのかな?」
お空へ旅立ったうちの子のことを考えている時、ふとそんな考えが浮かんだんです。
もちろん、お子さまによって反応は様々でしょう。
普段通り自分らしく過ごす子もいれば(うちの子はこのタイプだと思います)、
何かを察する子も、きっといますよね。
私たち人間のように言葉は話せなくても、心の動きにはとても敏感で、「どうしてわかるの?」と思うような反応を見せることもある動物たち。
なんとなく、悲しみや涙を我慢して笑っても、動物たちにはばれてしまうような気がするんです。
隠しているのが悲しみということまでは、わからないかもしれません。
それでも、涙を耐える家族を見て
「なんだかおかしいぞ?」って、首を傾げる子もきっといると思うのです。
皆さまの大切なお子さまは、いかがでしょうか?
心に浮かぶお子さまは、悲しみを耐えるあなたを見てどんな表情をするでしょうか。
うちの子への想いに、素直でいることはダメなこと?
悲しい気持ちを表現すること。
涙を流すこと。
それは、うちの子への想いに素直でいることでもあります。
私は、それでいいと思うんです。
悲しみや涙を我慢しても、あの子にはばれてしまう気がして。
きっと「なんだかおかしいぞ?」って顔をさせてしまう。
もしかすると、普段とは違う家族の様子から不安にさせてしまうかもしれない。
それならいっそ、
素直に感情を表に出している方があの子にとっても「家族の心がわからない」という不安もなく、悲しみの源になっている愛情もまっすぐにわが子まで届くのではないかと、私は思っています。
うちの子の旅立ちが悲しくて、涙が止まらない。
それでも、変わらず愛してるなら、涙ながらにもそう言ってしまえばいい。
「こんなに泣いてしまうほど、君のことが大好きだよ」
家族だからこそ、素直で偽りのないあなたの心を届ければ、悲しみの涙だけではなく、その元となったお子さまへの愛情だってきっと届くのではないでしょうか。
だって、そうやって素直な心をお子さまに届けてきたはずだから。
お子さまも、きっと想いの受け取り方を知っているはずです。
そうして想いを届けるうちにいつか素直に笑える日が訪れた時には、沢山の愛情とともにお子さまへ笑顔をお届けくださいね。
お空の上で、きっとお子さまも笑顔を返してくれると信じて。